私がグラフィックデザイナーになった経緯

ibook私はグラフィックデザイナーになるのに少し遠回りをしました。後から思えば、大したことないことでも「自分の人生を変える時」は勇気が必要。そんな時、周りの声も気になるけれど「本当にやりたいこと、自分が信じること」へ進むのが一番だと感じます!周囲の反対から、やりたいことを我慢している方の少しでも参考になればと思います☆

絵が好きだった子供時代から、グラフィックデザイナーを目指すまで

幼い頃から絵を描くのが大好きで、幼稚園の時からお絵描き教室へ。小学校の休み時間は自由帳にひたすら絵を描いていました。自由帳を1日で1冊使い切ることも…。将来の夢はマンガ家でした。しかし、中学生頃からマンガへの興味が自然と消えました。「絵を仕事にするのは難しそう」当時はネットからの情報も限られており、イラストレーターや画家という選択肢は難しいと感じていました。海外への興味から、在学中に語学研修のある高校へ進学。その後、立命館大学で社会学を学びました。所属していた芸術論ゼミで、田中一光氏(日本を代表するグラフィックデザイナー)について発表する機会があり、グラフィックデザイナーの仕事を知りました。社会で起きている問題を解決する学問(社会学)を学んでいた私は、問題解決の手段としてのデザインに興味を持ちました。
大学3回生の後半から、一般的な就職活動を始めました。就活合宿への参加、自己分析、企業説明会、100社以上にエントリーなど、行動をしても本当に行きたい会社、就きたい仕事は見つかりませんでした。次第に「グラフィックデザイナーになりたい」という思いが強くなり、大学4回生の時からダブルスクールでデザインを学びました。

出遅れたスタートと、そんな私を支えてくれた人

デザインを学び始めたのは、21歳でした。同年代の専門学校卒業の人はもう仕事に就いている歳です。美大や芸大で学んでいる人との差も感じました。当時は周りから「せっかくの四大の新卒採用を逃して、大丈夫?」「学校に行ったからといって、デザイナーになれる訳じゃない」「普通に就職した方が幸せになれるよ」と心配されました。だけど、なぜか「絶対、グラフィックデザイナーになる」という根拠のない自信がありました。
当時の私を精神的に支えてくれた方の一人はバイト先の職員の方でした。財団法人でアルバイトをしていた私は、80代や90代の人生の大先輩方とお仕事をしていました。「人生は長いんだから、若い頃の1年や2年なんて大したことないよ。本当にやりたいことをやりなさい。」との言葉に支えられました。他にも、大学の先輩や親しい友人、家族も応援してくれました。

デザインをはじめWeb・映像・写真などのクリエイティブを横断的に学ぶ学校へ通いました。ロート製薬や江崎グリコのロゴマークをデザインしたことでも有名なグラフィックデザイナーの奥村昭夫氏に師事し、デザインの本質的なことを学びました。土日だけ開講するスクールだったため社会人の受講生が多く、私は最年少でした。すでにクリエイターとして活躍している方、経営者、同い年のフリーランスデザイナー等、刺激的な環境でした。
しかし、デザインのスキルが全く無い私は、周りのレベルの高さに圧倒されていました。1年間通学するも、自分のスキルの向上が感じられず、もやもやした感情を抱えていました。

そんな私の背中を押してもらえる出来事が起こります。それは、グラフィックデザイン講座の修了展で優秀な作品に贈られる「奥村賞」です。授業でもパッとする結果を出していなかった私は、絶対該当しないと思っていたのですが、受賞者発表の時に名前を呼ばれました。
「赤いリンゴは虫食いリンゴ。」というフォントです。

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日本タイポグラフィ年鑑に掲載されました。

賞をいただけたのは私一人の力じゃなくて、ソフトの使い方から写真の撮り方、レイアウトまで…アドバイスをくれた周りの方のおかげです。私の作品じゃなくて、みんなの力をお借りしてできた作品です。教えてくれた先輩方にお礼を言うと「私へのお礼はいいから、いつか一人前のデザイナーになったら、今度は下の子に教えられるようになってね」と言われました。いつか、先輩のようなデザイナーになりたいと思いました。また同時期に展覧会の広報物デザインのコンペで、初めて自分のデザインが選ばれました。

1年制の学校に通い、最後の最後にデザイナーとしての芽が出てきました。「デザインの道に進んでも大丈夫だよ」というメッセージだったように感じます。

その後、ほとんどの受講生が1年で卒業する学校でしたが、2年目に進学しました。(2年目はTAをしながら、より実践的なことを学ぶコースです。)2年目が修了する頃に、デザイン事務所の経営者の方から「うちでアルバイトをしないか」と声をかけていただき、デザイナーアシスタントとしての仕事を始めました。

そして、現在

その後、制作会社・広告代理店での勤務を経て、現在に至ります。過労で体を壊したり、デザイナーを辞めるべきか悩んだりした時期もありました。だけど、デザイナーになったことは一度も後悔していません。学生の時に勇気を出して「本当にやりたいこと」を選んで良かったです。今では、クリエイターやフリーランス・独立などを支援しているコミュニティの運営に携わっています。

まだ、私自身も夢を叶える途中段階ですが、夢を否定しない仲間に出会い刺激的な日々を過ごしています。一つの夢が叶ったら、また次の夢が生まれるので一生かけて叶え続けます。誰かが何かにチャレンジする時に「無理だよ」「諦めた方がいいよ」と言うのではなく「できるよ」「どうしたら出来るのか一緒に考えよう」と言える私でいたいです。